各種ワックスの応用テクニック
ハードワックス
 ピアスやイヤリングのように左右対称形のものを作る場合、左右別個に作っては時間がかかります。この場合はまず2個のブロックを両面テープ等で貼り合わせ、輪郭から削っていきます。中の模様(形)はトレーシングペーパーに描いたデザイン画を表・裏の両面使ってけがきます。大まかな形が出来上がったら左右に分けて、細かい作業に移ります。
 ちょうどプチナスビペンダントという作品がありますが、この場合さらに中が空洞になっておりますが、原型は左右に分かれております。上記のような作業の後、それぞれ裏抜きした上で透かし模様を入れます。地金での仕上げの事を考え、線の内側は三角状態にしてあります。これによって外からヘラで内側を光らせることができます。インジェクションワックスの段階で左右を接合しキャスティングします。
ソフトワックス
 変形石やバロック真珠に付ける枠や皿や飾りを作る場合、シートワックスなら短時間で作業できます。変形真珠に付けるキャップのようなものを想定したとして、丸や扇型にシートを切り出します。付ける部分にシートを指で少しずつなじませ、不要な分はメスで取り除きます。(珠を傷つけないよう注意)切った所はインジェクションワックスで接合(表・裏共)し、形にぴったり合ったものを作ります。完全に合わせる前にタルカンパウダーを内側に塗布しておけば、すんなりはずれます。
 シートワックスを使って花や葉などを作るのは基本的な技術があれば問題ないですが、より雰囲気を出すためにインジェクションワックスを併用します。花びらのふちの部分に盛ったり、葉の葉脈の表現に使用したりします。加工例(メープルリーフペンダント)。またシートワックスを細く線状に切り出し、指でこよりを作るようにすれば蔓ができます。このままでは弱いので裏になる面にインジェクションワックスを薄く盛っておくと形がくずれません。
インジェクションワックス
 インジェクションワックスの状態での作業は通常避けて通る事が多いようですが、私はありとあらゆるアレンジ加工に挑戦しております。
 まずボリュームアップしたい場合、場所にかかわらず表面に盛ったり、切って広げた所に盛ったりします。縮める場合は逆の作業になります。その後ヤスリとペーパーで整型します。このワックスは粘りがあるためペーパー仕上げをしても実際にはキャスティング後に見ますとペーパーの目が残っております。地金の段階で簡単に出来る事はあえて私は省略しております。逆にこのワックスでしか出来ない部分の作業をやっておけば後の地金作業が楽になります。加工にかかる時間がどちらが早いのか、あるいは簡単なのかを経験をもとに判断します。
 石枠を大きくしたり小さくしたりするのはサイズ直しと同じ要領です。線の爪がある場合はバランスを考えて切る場所が限られてきます。(爪を切り取って位置を変える事も可能です。)枠の形を変える場合は他の製品のワックスで近いものがあればそれを使いますが、多少のアレンジ(高さや厚み等)は必要になります。無い場合は丸を楕円にしたり、四角を三味型にしたり、楕円をドロップ型にしたりします。温めて曲げたり棒になじませたりしながらの作業になります。
 コンビに切り分ける方法についてですが、メスを使います。メスの刃先をさらに薄く加工し、ラインに軽く切り込みます。厚みのあるところは何度も刃先を差し込むうちにバリが出て、凸凹になってしまい、綺麗に合わなくなります。この場合、刃先にオイルを浸ければ同じラインをスムーズに滑らせて切る事が出来ます。それでも多少の凸凹ができたら双方を盛ったり削ったりして、ぴったり合わせます。これがもしハードワックスの場合、メスの刃の厚み分は少なくとも無くなりますので、その分盛ることになります。
 インジェクションワックスならではの技法は他にもさまざまありますが、文章だけでは説明し切れません。こんな事は出来るのかというお問い合わせがあれば、何でもどうぞ。
 
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